「那須川天心vs亀田興毅」AmebaTVの前日、JBCとJPBAの共同声明について思うこと
目次
JBCとJPBAの共同声明
AmebaTVの企画「那須川天心vs亀田興毅」の前日、JBCとJPBAの共同声明が6/21(金)に発表されました。このタイミングの声明となれば、6/22(土)に行われるAmebaTVの企画「那須川天心vs亀田興毅」への警告だと思いますが、当事者は偶然と言っています。今回は、現在のボクシング業界の現実についてついて書いてみたいと思います。
近時『ボクシングルール』どのの下、商業性のみを追求する一方、安全性を軽視し、公平・公正とは言いがたい運営をするイベント、企画等が散見される。ボクシングに長年にわたり寄与し、発展させてきた我々の努力を踏みにじるものであり、看過できるものではない。安全性、健康管理上もきわめて重大な危惧がある。
1.非ボクシングイベント等には関与、協力しない。
2.非ボクシングイベント等の不当性を今後も世論に訴え続ける。
3.非ボクシングイベント等に参加した格闘技選手等が、我々各団体が定める手続きを経た上で、競技スポーツとしてのボクシングに参加することについては、門戸を開放し、これを歓迎する。
JBC、JPBAとは
JBC(日本ボクシングコミッション)、JPBA(日本プロボクシング協会)は、JBCが日本のボクシングにおけるルール、ランキング、プロライセンス発行などをして、JPBAはJBC加盟のボクシングジムの団体であり、主に興行面を分担している組織です。
ボクシング人気低迷の現実
ボクシングジムの会員数
私は、仕事と趣味の両面から複数のボクシングジム、総合格闘技ジム、キックボクシングジムの状況を知ることができます。ジムの会員数の比較してみると、ボクシングジムの会員数が低迷していることを感じます。
特に若い世代(10代の子たち)にボクシングジムは弱い。
ボクシングジムでは、若い子たちと話す機会もよくあります。「好きなボクシング選手は?」と聞くと「本当はK1が好きなんですけど、この辺はK1ジムがないじゃないですか。」とか。別の子は「ボクシングの試合は観ませんけど、RIZINなら会場に行きます!」など、別格闘技の話題になると話しがはずむ。
長谷川穂積氏も知らない世代
さらに、元世界王者だった日本人ボクサーの名前をあげてもほとんど知りません。「長谷川穂積なら知ってるよな?」と聞くと「知りません?でも、ガチンコファイトクラブの竹原さんなら知っています!」(Youtubu世代)だと。これが現実です。
画像元:マイナビニュース
ボクサー人口の低迷
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若い子たちが別格闘技好きが多ければ、ボクサーになりたい人も減っていると思い、ボクシングのプロテスト状況を調べてみました。
受験者数 | 合格数 | 合格率 | |
2004年 | 880人 | 520人 | 59% |
2018年 | 296人 | 222人 | 75% |
※東京地区(C級)男子
案の定、ボクサーになりたい人(プロテスト受験者)はかなり減っていました。この15年で受験者数はなんと約1/3(880人→296人)に激減。合格率も15年前は59%だったものが、昨年は75%(4人に3人は合格)まで上げています。
興行人口も低迷
過去20年のボクシング興行での最多入場者数は、2009年内藤大助 vs. 亀田興毅(さいたまスーパーアリーナ)での21,000人です。今回の対象者となる亀田さんの試合が過去20年間で一番集客できている興行と言うのも悲しい現実です。つまり、亀田さんがボクシング界に貢献していないと言うのは無理があります。
画像元:Bungeishunju Ltd.
批判と代替案はセットにしないと
JBC側の声明文で残念なのが「自分たちの組織では、こういった企画をやっていく」と言う提案がないこと。唯一のの提案に聞こえるのが「わたしたちには公開スパーリングがあります」ですが「もし、これが提案なら・・・企画をなめんなよ!」と言いたい。
ジャンルの人気の鍵を握るのはTVや動画配信ですが、 TVやネットの動画配信(無料コンテンツ)は、つまらなければ消されるか番組を変えられて終わり の世界。「公開スパーリングあります」が、プロの興行としてSNSで話題となり数字がとれるのかって話しで、ここには企画力のかけらも感じられません。
今回の天心や亀田の1000万円企画のように シリーズ化されている企画は、なんだかんだでアンチの方より、多くの観たい人たち(支持者)がいるから続いている のです。
集客できる、人気をあげるのは誰の努力?
集客できない、人気を落とすのは誰の問題?
プロの興行である以上、成功させれるかはプロモーション力の問題。
閉鎖的な批判だけでは何も生まれないと思うのです。
最後に興行収入をあげれるってことは選手にもファイトマネーとして還元できるってことです。若者が 人生かけてやるスポーツなのだから、夢のあるほうへ行きたいのは当たり前のこと かと思います。
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